高年齢雇用
2026.03.29
2026年4月から、高年齢労働者の労災防止対策が努力義務に
2026年4月1日から、事業者には高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置を講じることが求められます。
人手不足が深刻化するなか、60歳以降も働き続ける人は増えています。一方で、加齢による筋力や視力、バランス能力などの変化により、転倒や転落、作業負担による事故リスクも高まります。
高年齢者の安全対策は、単なる法令対応ではありません。経験豊富な人材が安心して働き続けられる環境を整えることは、技能継承、人材定着、生産性の維持にもつながる経営課題です。
法改正の核心:2026年4月から何が変わるのか
今回の改正の目玉は、「高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置」が、すべての事業者にとって努力義務化される点です。
具体的には、国が公表する指針(エイジフレンドリーガイドライン)に基づき、以下の対応が求められます。
作業環境の改善: 通路の段差解消、防滑対策、照明の増強など。
作業管理の適正化: 身体的負荷の軽減、適切な休憩時間の確保。
健康・体力の把握: 定期的な体力測定の実施や、健康診断結果に基づく配置検討。
これらは、経済産業省が進める「健康経営優良法人」の認定基準においても、近年その重要性が増しており、人的資本経営の情報開示項目としても投資家から注目されるポイントとなっています。
安全対策を経営への投資に変える
高年齢者が安全に働ける職場は、若手社員、女性、障害のある社員、治療や介護と仕事を両立する社員にとっても働きやすい環境です。
設備や業務フローを見直すことで、次のような効果が期待できます。
熟練人材の離職防止と技能継承
労災や長期休業のリスク低減
全社員の業務負担とヒヤリハットの削減
採用力や企業への信頼の向上
まず取り組みたい3つのこと
現場のリスクを確認する
転倒しやすい場所、重い作業、見えにくい表示などを点検します。従業員の声を聞く
ベテラン社員が感じている負担や不安を確認します。対策を仕組みにする
設備改善だけでなく、業務分担、休憩、教育、配置まで含めて見直します。
高年齢労働者への対応を、「義務だから実施する対策」で終わらせる必要はありません。
誰もが年齢や事情にかかわらず、安全に働き続けられる職場をつくることは、人材不足の時代における持続可能な組織づくりそのものです。