女性/男性の健康
2025.11.19
国際男性デーに考える、「メンズヘルス」という経営課題
11月19日の「国際男性デー」を機に、企業における男性従業員の健康支援について考えます。心身の不調を個人の自己管理だけに委ねることは、プレゼンティーイズムや休職・離職につながる兆候を見逃すリスクがあります。経済産業省も、従業員への健康投資は、活力や生産性の向上を通じて、業績や企業価値の向上につながる取り組みと位置づけています。
厚生労働省の令和6年「労働安全衛生調査」では、仕事や職業生活について、強い不安・悩み・ストレスを感じる事柄がある男性労働者は69.8%でした。さらに、相談できる相手がいる男性のうち、実際に相談したことがある割合は69.4%で、女性の80.5%を11.1ポイント下回っています。相談窓口を設置するだけでなく、従業員が実際に声を上げられる文化や運用を整えることが重要です。
男性の健康課題は、中長期的な就業継続にも関わります。2022年の男性の平均寿命は81.05年、健康寿命は72.57年で、その差は8.49年です。また、2025年の自殺者19,188人のうち男性は13,176人で、全体の68.7%を占めました。自殺の背景は多様かつ複合的であり、単一の要因では説明できませんが、男性が不調の早い段階で支援につながれる環境の必要性を示す、重要な社会指標といえます。
メンズヘルスへの取り組みは、男性を特別扱いすることではありません。「男性だから我慢すべき」という固定観念を見直し、性別や年齢、役職にかかわらず、誰もが安心して不調や働き方の課題を相談できる組織をつくることです。企業には、健康状態やストレス、休職、制度利用などのデータを性別・年代別に把握し、相談導線、管理職教育、個別配慮の仕組みを整えることが求められます。