働き方

    2025.09.04

    社員から「配慮してほしい」と言われたとき、管理職は何をすべきか

    育児、介護、治療、メンタル不調、更年期、障害など、働く人が抱える事情は一人ひとり異なります。

    社員から「働き方について配慮してほしい」と相談されたとき、管理職は何を聞き、どこまで対応すればよいのでしょうか。

    制度が整っていても、個別事情への対応には、判断・調整・情報共有が必要です。制度を知っていることと、現場で適切に運用できることは別の問題です。

    その場で結論を出す必要はありません

    相談を受けた管理職の役割は、その場で「正解」を出すことではありません。

    すぐに在宅勤務や休職を勧めたり、本人の同意なく人事へ詳細を共有したりするのではなく、まず状況を整理し、会社として判断できる状態をつくることが重要です。

    最初に整理したい4つのこと

    確認すべきなのは、主に次の4点です。

    1. 仕事をする上で何に困っているのか
      病名や家庭事情の詳細ではなく、勤務時間、業務量、担当業務などへの影響を確認します。

    2. 本人は何を希望しているのか
      希望が明確でない場合は、負担になっている業務や必要な調整を一緒に整理します。

    3. 誰に何を共有してよいのか
      人事やチームへ共有する情報の範囲を、本人の意向を踏まえて確認します。

    4. どの程度の期間、対応が必要なのか
      見通しが立たない場合は、一定期間試行し、その後に見直す方法もあります。

    配慮は、希望をすべて受け入れることではありません

    配慮とは、本人の希望を無条件に実現することではなく、本人の事情と会社の業務上の制約をすり合わせ、実行可能な方法を探るプロセスです。

    希望どおりの対応が難しい場合でも、勤務時間の調整、業務量の見直し、一部業務の変更、定期面談など、代替案を検討できます。

    また、「公平」と「全員を一律に扱うこと」は同じではありません。事情の異なる人に必要な調整を行うことは、必ずしも特別扱いではありません。

    個人の力量に任せない仕組みが必要です

    個別対応の質が、相談された管理職によって変わる状態は望ましくありません。

    企業には、次のような対応プロセスの標準化が必要です。

    相談受付
    状況・希望の整理
    共有範囲の確認
    制度・規程の確認
    配慮案の検討
    本人との合意
    記録
    定期的な見直し

    制度があるだけでは、社員が働き続けられる環境にはなりません。

    制度と現場の間にある「判断」「調整」「合意」「記録」を、管理職個人ではなく組織として支えること。それが、これからの人事・労務対応とウェルビーイング経営に求められています。

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